2014.08.11.
OVER THE END 4

セレクトする基準のハードルを大幅に上げた結果、探すモノから”探す人”へシフトし、
今年より「OVER THE END」という企画がスタートしました。
先月リリースされたotaのように、場合によっては本来展開しているブランドの他にまた別ラインを設けるまでに発展し、自分でやっておきながら「お前何様だよ」って自分に思わず突っ込んでしまう程の内容には大変満足しております。

さて、otaに続く作品化の第二弾はこちら。

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この写真は今から約10年前にvogueに掲載されたイメージフォト。
彗星のごとく現れたこのブランドは、その時代を最前で活躍するアーティスト達にも多大な影響を与えました。

この男を覚えているか。

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LIBERTINE

当時彼は古着のシャツやジャケットを解体し再構築したアイテムに対して、なんとも表現のしようが難しい独特なモチーフとタッチのシルクスクリーンプリントをオンしたコレクションを展開していました。
立ち上がった頃たまたまmaxfieldで並べられていたのを見て「すげー奴がいるもんだ」って感動したのを今でも思い出します。
裾とか切りっぱなしで糸がぴょんぴょん出てましたから、その時代は新鮮でしたよね。

そしてシャツ一枚$700。

今ではこの敢えて完成させないデザインをcoolだと思いますし、ズタボロなギミックにゴスなプリントを彼が乗せるだけで宝石に変わる理論も説明が出来ます。
しかし当時はこの値段が意味不明だったんですよ、私にとって。
全ての洋服は、作るに当たって発生するコストをベースに価格が決まると思っていましたから、このような作り手のアイデアが生んだセンスに対して発生する”Artist price”には理解がまだ無かったんです。

それでもLIBERTINEが提案するこの夢のようなピースに憧れがその後も強く、彼の世界観に確実に影響を受けているGREG LAURENを買い付け始めた頃、いつかセレクトしたいと思うようになりました。

しかし既にマーケットから姿を消していて、どこで何をやっているのか分からない状態だったんです。
その筋に詳しい人達に聞いても、「ロンドンで生活してるらしい」「ブランドは別の人に売ったらしい」等と様々な噂を耳にしました。でもたまーに見かけるんですよ、maxfieldで今でもイッちゃってる値段で並んでるアイテム達を。
そしてあの手この手でなんとかコンタクトを取って会うことが決まったのが今年4月。

ドキドキでアトリエに行くと、当時のデザイナーが出てきました。
よかったよかった。

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基本的に写真NGだったので廊下しか撮れなかったのですが、服のデザイナーというよりアートコレクターという言葉が似合う空間でした。

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友人のダミアンハーストからギフトで貰ったセディショナリーズのタンクトップ。

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現在のデザイナー(左)。
goyardなんかともコラボレーションしていただけあってやはり著名人との交流も多いんですかね。
隣、トムブラウンだよね、多分。

そして詳しい今の状況を聞くと、10年前はメインだったリメイクのラインはもう辞めて、現在はまた異なったアイデアで高級服を展開しているとのこと。
時間が経てば形も変わりますからね。珍しいことではないです。
それでもシルクスクリーンは健在で、最近のデザインを一通り紹介してもらいました。

うん。普通に格好良いし、時代も捉えてる。
でも、あの時代に見た、感じた、あのシリアスな空気とはまた異なるデザイン。

そっかー。まじかー。とか思いながら用を足しにトイレへ行くと、

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過去に使用したシルクスクリーンの判を大量に発見!

勝手に見ていいのか分からなかったけど、鍵を閉めて一枚一枚ご拝見。
「うんうん、あったなーこんなの」って見ているうちに、今リバティーンを着るのであればこの時代のプリント以外考えられなくなりました。

部屋に戻った私は、トイレの中にダイヤが落ちていたと説明しました。
するとデザイナーが一冊の随分と分厚いファイルを見せてくれました。

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なんとファーストコレクションから現在のコレクションで使用した全てのシルクスクリーンをコンプリートしたファイルでした。

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ここまでされたらもう欲望を止められないですよね。

デザイナーと相談した結果、特別に好きなシルクスクリーンデザインを選んでいいということと、
これまでに発表してきた様々なディテールも再現してくれるということが決まりました。
ここまで引き受けてくれたのも、実は当店のことを前から知ってくれていて、お互いがリスペクトを持っていたからだと思います。

兎にも角にも、最強の条件が与えられました。
それと同時に、使用するボディーは当時の古着のリメイクではなく今回見せてくれたホワイトのコットン生地。ディテールのデザインは数年前にmaxfieldで見た記憶がうっすらある前立ての独創的なギミック。
これらの外せない仕様が瞬時に頭を過ります。
そこにこれまでに発表した全シルクスクリーンのパターンからベストオブベストをチョイス。

これは単なる復刻とも、アーカイブとも似つかない。

「LIBERTINE GREATEST HITS」
このタイトルが相応しいですね。

このミーティングから3ヶ月が経ち、ベストアルバム化したLIBERTINEのコレクションは今回の旅でピックアップが完了しています。
デザインの発表とリリースは近日を予定しております。

お楽しみに!









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