2016.11.14.
New York -06-

ロスから来ていた友人に、面白い人がいるから紹介するよってBARに誘われました。
そこで待つひとりの女性。

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epic recordsのCEOであるシルヴィアさん(年齢不詳)。
いやいや、スケールが違うって。

でも会わせてくれたのには理由があって、ジャンルは違えど彼女もまた常に新しい才能を探すことに対して超ハングリーな人だから、
己の正義を貫いてお前もいつかこうなれよって、刺激をギフトしたかったみたい。

いやいや、そういうことじゃないよって。そもそも俺、お茶の間向けじゃないしって。
私みたいなゲスと同じ空気を吸わせて申し訳ないなって思ったんだけど、
せや!って閃いたの。

「I have a guitar. I have a original song.」
デビュー出来ませんかねえ?って。
そしたら「オフコース You can」って言うんだけど、顔には「消えろ」って書いてあるんだよね。最高。

彼女は洋服も大好きで、誰も持っていないようなアーティスティックなブランドが好みということもあって、
このどうしようもないブログを見せてあげたら「欲しい!」って、すごく喜んでくれたの。

で、ウチに来るって。これは社交辞令でもなんでもないマジな感じが伝わってきたから焦ったけど、
この際心底気に入られて彼女の会社の傘下になって、彼女のためだけに買い付けをして、
ご褒美を貰って、一生パシリとして遣われるっていうヴィジョンが見えたんですよね。
悪くないなって。

極楽未来を想像してたら「行くよ」って、2軒目に連れてかれたの。
ドライバー付きの多分まだ一般向けに売られていないGantzみたいなベンツに乗せられ、
向かった先は大御所ヒップホップアーティストのリリースパーティー。
芸能に疎い私でも知っているようなスターしかいないsohoの会場の隅の隅をすぐに陣取り、陰キャラモードでひたすら耐える。

しかし眩しすぎるリアの光によって私の漆黒のバリアが破かれたところでリタイア。
先に帰りやすって挨拶だけして逃げ出したの。

で、そのときすごいウケることがあって、
会場を出て20mくらいのところで「待ってー!」ってシルヴィアの声がして振り返ると、
10人くらいが私を追いかけてくるんですよね。
それで「アナタなんちゃら(忘れた)ズクールのデザイナーでしょ?なんでそれを先に言ってくれないの!」って。

そのときの光景は多分一生忘れないんじゃないかな。
皆んなが皆んな目をキラッキラさせて、私を見てるの。
ああ、これが最上級のモテなんだなって、思ったよね。
どうやら知名度の高いデザイナーだったらしく、そして会場では誰かが「ヤツが来てる」って気づいて、
でも誰とも話すことなくクールに帰りやがったって感じだったみたい。
一番格好良いやつだよね。笑

で、「人違いです」って伝えたときのあの表情よ。
このときばかりは顔に書いてあっただけじゃなく、「消えろ」ってひとり絶対口にしたやついたよね。






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